前回の「手洗い」に続き、今回は感染対策の基本その2 「うがい」についてお話しします。
「うがいなんて子供の頃からやってるよ」と思われるかもしれませんが、実は多くの人が残念なうがいをしている可能性があります。 ウイルスは主にのどの粘膜に付着し、そこから細胞を破壊して体内に侵入します。つまり、うがいは侵入しようとする敵を水際で洗い流す、非常に重要な防御策なのです。
今回は、効果を最大限に高める「正しいうがい」の秘訣を、意外な「角度」の話とあわせてご紹介します。
意外な落とし穴!うがい薬は「毎日」使わない?
まず最初に、よくある質問「うがい薬(イソジンなど)を使ったほうが予防になるの?」という点です。 「毎日しっかり茶色のうがい薬で消毒しています!」という方もいらっしゃるかもしれませんが、実は予防としての常時使用はお勧めできません。
ポビドンヨードなどの強力な殺菌成分を含むうがい薬は、使いすぎると以下のリスクがあります。
- 正常な細胞を傷つけ、ウイルスだけでなく、のどを守っている正常な細胞や粘膜まで傷つけたり、乾燥させたりしてしまうことがあります。その結果、
- 逆効果のになっている可能性があります。粘膜が荒れると、かえってウイルスが侵入しやすい状態を作ってしまうことがあるのです。
普段の予防には、「水道水」または「塩水」で十分です。水うがいだけでも、一定の感染予防効果があることが報告されています。うがい薬は、のどに炎症がある時など、目的に応じて使い分けるのが正解です。ちなみに、緑茶には感染予防効果が期待できるので、緑茶でのうがいもOKです!
※イソジンなどのポピドンヨードを含むうがい薬を使用する際は、甲状腺疾患がある方は医師や薬剤師にご相談ください。
【実践編】正しいうがいの2ステップ「クチュクチュとガラガラ」
それでは、薬剤師が推奨する具体的な手順をご紹介します。ポイントは「口の中」と「喉の奥」を分けて洗うことです。
ステップ1:口の中の雑菌を減らす「クチュクチュ」
いきなりのどの奥でガラガラしていませんか? まずは喉の手前、つまり口の中の食べカスや雑菌を吐き出しましょう。少量の水を口に含み、口の中を強くすすぎ、「クチュクチュ」としてから吐きすだけです!
ステップ2:のどの奥を洗浄する「ガラガラ」
そして次が本番。ウイルスが付着しやすい、喉の奥を洗います。
新しい水を口に含み、約15秒間「ガラガラ」とうがいをして、のどの奥を洗浄します。
⚠️ポイント!ここがプロのコツ!「真上」を向いてはいけません
効果的なうがいであるかどうかは、ガラガラうがいにコツが隠れています!
ガラガラうがいの際に、天井を見るように真上(90度)を向いていませんか?
実はこれ、間違いなんです。
人間の体の構造上、首を真後ろに倒しすぎると、喉が締まってしまい、水が奥まで届きにくくなります。頚椎を痛めたり、誤嚥のリスクも出てきます。 イメージしてみてください。ご飯を食べたり水を飲んだりする時、真上を向いて飲み込みますか? 飲み込みにくいですよね。
正解は「斜め上45度」くらいを見ながらうがいをするのがお勧めです。
今日から、「天井を見ないうがい」を意識してみてください。驚くほど奥まで洗える感覚があるはずです。最適な角度を、ぜひ自分で探してみてくださいね!

まとめ
感染対策の基本は「病原体を体に入れないこと」。
特別な道具は必要ありません。水道水と、正しい「角度」の知識があれば、今日からご自宅での感染対策レベルは格段にアップします。
外出から帰宅した際には、ぜひ手洗いとうがいを一番にしてくださいね。
- 予防なら「水」でOK
- まずは「クチュクチュ」そして「ガラガラ」
- 「斜め上45度」くらいを見る
ぜひ、今夜の帰宅時から実践してみてくださいね。
次回は、実は誤解だらけ?「マスク」の正しい効果と使い方についてお話しします


