春の訪れとともに、心躍る季節がやってきました。 しかしその一方で、薬局のカウンターではこのようなお悩みをお聞きすることが増えています。

朝、スッキリ起きられない
日中、なんとなく頭がぼんやりする
体がだるく、疲れが抜けにくい

「春だから、つい眠くなるのは仕方ない」と思われがちですが、実はこれらには医学的な理由があります。

その正体は、「自律神経の乱れ」です。

今回は全4回のシリーズとして、春の不調を乗り越え、本来のリズムを取り戻すためのヒントをお届けします。

春は「三寒四温」というハードな環境 の壁

春の気候を象徴する言葉に「三寒四温」があります。
暖かい日が続いたかと思えば、急に冬のような寒さが戻る。この激しい変化は、移動性高気圧による気象の移り変わりによるものです。

実は、私たちの体にとってこの「寒暖差」は大きな負担となります。
一般的な研究では、以下のような影響があると言われています。

  • 気温差 57℃以内: 体への負担が少なく、比較的快
  • 気温差 7℃以上: 身体への負担が急増し、体調を崩しやすくなる

春は、1日の中での気温差や日ごとの変動がこの「7」を超えやすい、非常にハードな季節なのです。
これは「の壁」とも呼ばれています。

なぜ「寒暖差」でだるくなるのか?~「寒暖差疲労」の正体~

私たちの体は、常に深部体温を37℃前後に保とうとしています。

  • 寒い時: 血管を収縮させて熱を逃がさない
  • 暑い時: 血管を拡張させて熱を逃がす

この絶え間ない微調整をコントロールしているのが「自律神経です。

寒暖差が激しいということは、自律神経が休む暇もなくフル稼働し続けている状態。
その結果、自律神経の調整機能が過剰に働きエネルギー消費が激増して疲れ果てる、いわゆる「寒暖差疲労」を引き起こします。

これが「春の眠気」や「抜けきらないだるさ」としてサインを出しているのです。

「春眠暁を覚えず」を医学で読み解く

唐代の詩人・孟浩然(もうこうねん)は、1300年も前に「春眠暁を覚えず(春の眠りは心地よく、夜が明けたのも気づかないほどだ)と詠みました。

古くから親しまれているこの言葉ですが、現代医学の視点で見れば、まさに「自律神経の季節変動」そのものです。

冬の「休眠モード」から夏の「活動モード」へと体が切り替わる過渡期に、自律神経がうまく追いつけず、強い眠気を引き起こしていると考えられます。

本来のリズムを取り戻す「Life Tune」という考え方

自律神経を整えるために、特別なサプリメントや激しい運動は必要ありません。
大切なのは、生活のリズムを微調整し、本来の体の働きを取り戻すこと。

これを私たちは「Life Tune(ライフ・チューン)」と呼んでいます。

Life」が「日常生活」、「Tune」が「整える」ということで、「整える」を、日常に。というのが私たち凜調剤薬局のコンセプトです。

自律神経の乱れを整える具体的方法は、次の「3つの習慣」が鍵となります。

  1. 朝日を浴びる(体内時計のリセット)
  2. 呼吸を整える(迷走神経へのアプローチ)
  3. 睡眠環境を整える(睡眠ホルモン・メラトニンの分泌を促す)

どれも今日から始められるシンプルなことばかりです。

次回のお知らせ

2回は、3つの習慣の1つ目、「なぜ朝日を浴びると体調が整うのか」について深掘りします

 

たった1015分の光が、あなたの脳と体のスイッチをどう切り替えるのか?その医学的なメカニズムをわかりやすく解説します。どうぞお楽しみに。