新型コロナウイルスが5類へ移行し、私たちの生活も落ち着きを取り戻しつつあります。しかし、インフルエンザや食中毒など、感染症のリスクがなくなったわけではありません。 これからの時代に大切なのは、私たち一人ひとりが正しい知識を持って身を守ることです。

そこで今回は、感染対策の基本中の基本、「手洗い」について改めて解説します。「いまさら手洗い?」と思われるかもしれませんが、実は洗い方ひとつでウイルスの除去率が劇的に変わることをご存知でしょうか?

なぜ「手洗い」が最強の感染対策なのか?

感染症の多くは、ウイルスが付着した手で「目・鼻・口」の粘膜に触れることで起こります。電車のつり革やドアノブなど、生活の中にはウイルスが潜んでいる場所がたくさんあります。 手洗いは、そうしたウイルスを物理的に洗い流し、体内への侵入を防ぐ「第一の砦」なのです。

衝撃のデータ:洗い方でこれだけ違う!

手洗いの時間・回数による効果

手洗いの方法 残存ウィルス数(残存率)※
手洗いなし 約1,000,000個
流水で15秒手洗い 約10,000個(約1%)
ハンドソープで10秒または30秒もみ洗い後、流水で15秒すすぎ 数百個(約0.01%)
ハンドソープで60秒もみ洗い後、流水で15秒すすぎ 数十個(約0.001%)
ハンドソープで10秒もみ洗い後、流水で15秒すすぎを2回繰り返す 約数個(約0.0001%)

国立医薬品食品衛生研究所

これだけでも十分すごい効果ですが、さらに効果を高める「プロのコツ」を後ほどご紹介します。

「石鹸」と「消毒」の正しい使い分け

「面倒だからアルコール消毒だけで済ませている」という方はいませんか? 実はそれ、少しもったいない使い方かもしれません。

イメージしてください。泥遊びや畑仕事で手が泥だらけになった時、いきなりアルコールをかけますか? まずは水で泥を洗い流しますよね。 ウイルス対策も同じです。

  1. ハンドソープ(石鹸): 手についたウイルスや汚れを「物理的に」洗い流しやすくする。
  2. アルコール消毒: 残ったウイルスを殺菌する。

手が汚れた状態でいきなり消毒液を使っても、汚れに邪魔されて十分な効果が得られにくいのです。まずはハンドソープで汚れ(ウイルス)を洗い流し、仕上げにアルコールを使うのがベストな手順です。

【実践編】洗い残しゼロへ!正しい手洗いの6ステップ

せっかく手を洗っても、洗い残しがあっては意味がありません。特に指先、爪の間、親指の周り、手首は洗い残しが多い「要注意ゾーン」です。 以下の手順を意識して、約30秒かけて丁寧に洗いましょう。

 

薬剤師が教える「プロの秘技」:2度洗い

ここで、皆様にぜひ知っていただきたい、最も効果的な手洗いのコツをお伝えします。 それは「2度洗い」です。

先ほどの手順(ハンドソープでもみ洗い10秒+すすぎ15秒)を2回繰り返すのです。 データによると、2度洗いをした場合のウイルス残存数は、なんと「約数個(約0.0001%)」まで減少します。

1回目で大まかな汚れを落とし、2回目で徹底的にきれいにするイメージです。「毎回は大変」という方は、帰宅直後や食事の前だけでも「2度洗い」を取り入れてみてください。私も帰宅後は必ず実践しています!

まとめ

感染対策の基本は「病原体を体に入れないこと」。そのために最も確実で、今日からできる対策が「正しい手洗い」です。 ご自身と大切なご家族を守るために、ぜひ今日から「2度洗い」と「丁寧なすすぎ」を習慣にしてみてくださいね。

次回は「うがい」と「マスク」の効果的な使い方についてお話しします。